2025.10.29

フォーム離脱率を改善するおすすめ施策は?原因と改善方法15選

#フォーム離脱率 #CVR改善

フォーム離脱率とは?

フォーム離脱とは

フォーム離脱とは、ユーザーが問い合わせ、会員登録、購入手続きなどのWebサイトのフォームの入力を途中で断念し、送信完了せずにフォームを離脱してしまうことです。
獲得した見込み顧客を失うことになるため、売上や成長の機会損失に直結する深刻な問題です。

フォーム離脱算出方法

フォーム離脱率は、以下の計算式で算出できます。

フォーム離脱率(%)=フォームからの離脱数÷フォーム訪問者数×100


例えば、フォームを訪れた100人のうち30人がフォームを離脱したとします。30(人)÷100(人)×100より、フォーム離脱率は30%と求まります。

一般にフォームに遷移したユーザーの離脱率は50〜70%といわれています。この数値は業種や目的により異なるためあくまで目安ですが、見込み顧客の50〜70%を取りこぼしていることになり、大きな損失です。

フォーム離脱率が高いとどうなる?

フォーム離脱率が高いと、CVR(=コンバージョン率※)が低下し、ビジネスの成果のマイナス要因となります。
※CVRとは、Webサイト訪問者全体のうち、商品購入などの最終的な成果に到達した人の割合を示す指標です。


KPIにCVRを設定している企業様も多いのではないでしょうか。
フォーム離脱率が高ければCVRの減少に、フォーム離脱率が低ければCVRの上昇に繋がります。つまり、Webマーケティングにおいて、フォーム離脱率とCVRは密接した関係にあります。


つい広告など集客方法の改善に注目してしまいがちですが、入力フォームの小さな修正でCVRを向上させることが可能です。
ひいては、コンバージョンに一番近いフォーム離脱率の改善から対策していくことは効率的だといえます。

フォーム離脱のよくある原因は?

〈入力前のフォーム離脱の原因〉

フォームに間違えてアクセスしたユーザーが多い
入力前のフォームを離脱する件数が多い場合には、フォームまでの流れを見直しましょう。ユーザーが意図せず入力フォームを開いてしまいやすい動線になっている可能性があります。
この場合には、Webサイトのレイアウトの見直しや、入力フォームのCTAボタンの文言・デザインの明確化、設置場所の工夫が有効です。


Webサイトの信頼性が低い

ユーザーがフォームに抱く最大の心理的抵抗として、信頼性の問題があります。
フォームに遷移し、もしセキュリティ警告のメッセージが表示されたら、ユーザーは不信感を抱き個人情報やクレジットカード情報を入力することはないでしょう。
Webサイト全体のSSL/TLS化によりフォームを安全に保ち、ユーザーから入手した個人情報などの取り扱い方のプライバシーポリシーや利用規約をはっきりと掲示する必要があります。


〈入力中のフォーム離脱の原因〉

フォームの項目が多い
ユーザーがせっかくフォームの入力を始めても、項目数が多く終わりが見えないようでは入力途中でモチベーションを下げてしまいます。
思ったより時間がかかりそうだから後で入力しよう…とフォームを離脱し、そのまま送信を完了しないままになってしまうことも。
入力項目は必要最低限の情報に減らし、なるべくフォームを単一ページに納めたり、あとどれくらいで入力が完了するかプログレスバーによる残数ナビゲーションを表示するなどユーザーが最後まで入力を続けやすくする工夫が必要です。


フォームが分かりにくく不便

入力を完了した後に、「必要項目が記載できていない」とエラーが表示された経験はありませんか?
エラーを指摘されつつもどこにエラーがあるのかひと目でわからなければ、ユーザーがストレスを感じフォームを離脱する可能性は高まります。
また、CTAボタンの文言が不明瞭で使い勝手が悪い、フォームのスマホでの操作性が低いなどの問題が考えられます。
ユーザー目線に立ち、UIが優れているフォームを作成することが重要です。

フォーム離脱率を改善するおすすめの方法15選

信頼性があるシンプルなデザインにする

入力フォームは安心感があるシンプルなデザインを意識しましょう。
多くの入力フォームでは個人情報を入力してもらうことになるため、ユーザーからの信頼を獲得できるかが重要です。


過剰な装飾がされたフォームはユーザーの不信感を招きかねません。
遷移前のページから大きく印象が外れたり(Webサイトでは赤をメインカラーにしていたのにフォームでは青がメインカラー等、トンマナの不一致)、古びていてセキュリティ面に不安を抱くようなデザインになっていないか、第三者の意見を交えて確認することをおすすめします。


必要な項目のみを適切に配置し、視覚的に信頼できるフォームを目指しましょう。

スマホ最適化をする

ユーザーが使用するデバイスそれぞれに最適化されたフォームを作成しましょう。

現在、スマートフォンからのフォーム送信は主流となっています。スマホ最適化された入力フォームは必須項目といえるでしょう。
見やすい文字サイズや、タップしやすいボタンサイズ、項目の行間を広げ誤タップを防ぐなどの配慮が求められます。

必要最低限の項目数に絞り込む

入力フォームの項目は必要最低限の情報に絞りましょう。
個人情報保護の意識が高まるなか、関係がない情報の入力を強制されることに抵抗感を抱くユーザーは少なくありません。
また、入力を求められる項目が多いことで、手間を感じてフォームを離脱する可能性が高まります。


フォームの受け取りは顧客獲得の一歩目です。
一度のフォームですべての情報を得ようと欲張らずに、まずはユーザーがフォームを送信完了することを目標に据え、入力項目の削減を検討しましょう。


なお、具体的に何個までの項目数にすべき、という指標はありません。
次回のコンタクトに必要な最低項目を考えましょう。
〈例〉会員登録の場合
必要:氏名、メールアドレス
不要:生年月日、性別、電話番号

違和感のない順序に項目を配置する

入力フォームの項目の並び順にも工夫が必要です。
氏名、フリガナ、性別の基本情報に始まり、電話番号やメールアドレスの連絡先情報の入力に続く流れが一般的です。
個人情報を扱う慎重な場面なため、小さな違和感も残らないよう注意しましょう。


また、入力欄のレイアウトは違和感が生じやすい箇所です。
設問に対する回答に対応した記入欄のサイズや選択方式を設定しましょう。

スクロールなしで全項目を表示する

入力フォームの項目数、順序が修正できたら最終調整です。
PC・SP共にスクロールなしの一画面に入力フォームを収めましょう。
入力フォームの始まりから、入力フォーム末尾の送信ボタンまでの長さが即座にわかることで、ユーザーのモチベーションを高めることができます。


なお、一画面に入力フォームを収めることが難しい場合には、以下の2つの方法を検討してみてください。
⑴ユーザビリティを損なわない程度にフォントや枠のサイズを小さくする
⑵複数ページにまたぐ(次項にて詳細を解説)

複数ページある場合はSTEPフローを表示する

どうしても一画面に入力フォームが収まらない場合には、下に項目を羅列していきページを長くするのではなく、複数のページに分割しましょう。
そして、ページごとのSTEPフローを表示させます。
ユーザーが進捗状況を把握することができ、入力を完了させるまでのモチベーションを保ちやすくなります。

必須項目をわかりやすく表示する

入力フォームの項目は「必須項目」と「任意項目」の2種類に区別でき、必須項目にのみラベルを設ける方法が一般的です。
ラベルはユーザーの目に留まるよう警告色が用いられる場合が多数です。


入力フォームの項目名横に、必須項目という意味合いで「*(アスタリスク)」を付けるUIデザインが広く浸透しています。
必須項目が多く、毎回ラベル付けすると画面に圧迫感が生じる場合などでは、アスタリスクを活用することをおすすめします。ただし、アスタリスクはあくまで記号にすぎないため、分からない人への配慮が必要です。

入力例を表示する

入力フォームの枠内と枠外に入力例を記載しましょう。
入力例があることはユーザーと企業の双方にメリットをもたらします。
ユーザーは回答方法を直感的に理解でき、UIが向上します。結果として入力ミスを減らすことにも繋がるためユーザーの負担を軽減できます。
また、企業側は、求める形式に統一された回答を受け取ることができるため、業務が効率化します。


なお、どうしても一画面に収まらないなどの場合を除いて、フォームの枠内のみならず枠外にも入力例を記載する方法がおすすめです。
ユーザーが入力途中や入力後に記入例を確認しやすくなります。

入力文字を自動で変換する

入力欄の文字の変換作業を自動化させることで、ユーザビリティが向上します。
メールアドレスや電話番号、住所など、数字と記号の入力は、ユーザーによる表記ゆれが起こりやすい場面です。
特にそれらの情報の記入を多く求める入力フォームでは、全角・半角、ハイフンに自動で対応する入力アシスト機能の導入がおすすめです。


なかでもメールを介して商材を扱うような場合には、メールアドレスサジェストを導入しましょう。メールアドレスの「@」入力時にドメイン候補を自動で表示し、入力を補助する機能で、ユーザーのメールアドレスの入力ミス防止に有効です。

住所の自動入力機能を付ける

入力フォームで住所情報を求める場合には、郵便番号に紐づいた町域が自動で入力される機能が便利でしょう。
比較的時間がかかる住所入力を大幅に省略することができるため、フォーム離脱の防止に繋がります。
また、地名の漢字などの入力ミス削減にも貢献します。

エラー箇所がひと目で分かるように工夫する

エラー箇所がどこにあるのか、ひと目でわかるように表示しましょう。
エラー箇所を探し修正する手間から、せっかくフォームを埋めたにも関わらず、ユーザーが離脱してしまう可能性があります。


「全角で記入してください」「利用できない文字が含まれています」などエラーの内容を表示するとより親切です。
ユーザーは修正をスムーズに行うことができます。

また、ユーザーが送信ボタンを押してからエラーを認識するのではなく、入力作業と並行してエラーが表示されるリアルタイムアラートを導入しても良いでしょう。ただし、ユーザーにストレスを与えないため、入力中の状態ではリアルタイムアラートが作動しないよう注意が必要です。

離脱防止ポップアップを表示する

ユーザーのフォーム離脱のタイミングでポップアップを表示することで、再エンゲージメントを促すことができます。
具体的には、「まだ送信が完了していません。続けますか?」というメッセージや、会員登録に際しては特典を提示することでサイトに引き留める方法です。
電話窓口を設置している場合には、ポップアップに番号を掲載し、窓口へ誘導してもよいでしょう。

入力フォームの内容を自動で保存する

入力フォームの内容を自動で保存できるようにしておきましょう。
一度、何かしらの理由で入力フォームを離脱してしまった場合にも、再訪時に入力していた履歴が復元されていれば作業を円滑に再開する可能性は高まります。


入力フォームの内容が長くなるほど離脱の可能性は高まるうえ、初めから入力し直すには負担がかかります。
そのため、どうしても項目数が多くなってしまうフォームは保存機能が必須と言えるでしょう。

余計な誘導要素(リンク・バナー等)は設置しない

入力フォーム内に商品紹介ページへのリンクや広告バナーは不要です。入力フォームを離脱させるような遷移要素は排除しましょう。
ユーザーの注意が入力フォームから逸れてしまう可能性や、誤タップによりページが遷移しフォームの入力内容がクリアされてしまう恐れがあります。
これらの場合にユーザーが再び入力フォームを記入する可能性は低いことが予想されます。
送信完了するまでは、余計なリンクを削除しておきましょう。

CTAボタンをユーザー目線で設置する

CTA (Call To Action、行動喚起) ボタンのテキストではユーザーの具体的な行動を示しましょう。
あいまいな文言では、入力フォームの送信ボタンを押すことにためらいを生じさせてしまいます。
例えば、「会員登録を完了する」と「クリック」と書かれた2種類のボタンでは、前者の方が成果が明瞭で、ユーザーの行動喚起に適しています。


また、CTAボタンはデザインも重要です。
色やサイズを調整することで、他のボタンより優先度が高いとはっきりわかるデザインにしましょう。


CTAボタンは、CVRに大きな影響を与えます。
ABテストを実施するなどして最適なCTAボタンを見つけましょう。

まとめ|入力フォームを改善してCVRを高めよう!

フォーム離脱はビジネスの成果に直結する重大なマーケティング課題です。
しかし、入力フォームの改善を重ねることで、CVRを高めることが可能になります。
今回ご紹介した15の施策は、いずれも利用者の視点を踏まえてユーザビリティを追求したもので、きっとお役に立てることと思います。
フォーム離脱率の改善のためにぜひご活用ください。

フォーム離脱対策に関するよくある質問

フォーム離脱を防ぐための最も効果的な施策は何ですか?

本記事ではフォーム離脱率改善の施策を15選ご紹介しました。
ユーザーの負担をより減らすことができる施策こそ、効果が大きいと言えるでしょう。


いずれの施策も実効性がありますが、優先して取り組むべき項目は以下の4つです。
◎モバイル最適化をする
◎必要最低限の項目数に絞り込む
◎エラー箇所がひと目で分かるように工夫する
◎CTAボタンをユーザー目線で設置する


基本的なポイントですので必ず抑えておきましょう。

フォーム離脱が多い箇所を特定する方法はありますか?

専用ツールを使い簡単に特定することができます。
例えば、フォームアナリティクスツールは、入力項目ごとの離脱率やエラーが出やすい項目などの情報を知ることができます。
ヒートマップツールでは、ユーザーの入力フォーム上での関心・離脱などの動きを視覚的に把握することができます。


この場では簡単な説明に留めますが、離脱率が高い項目を中心的に改善していくことで、より効率的にフォーム離脱率の改善を図れるでしょう。

他にCVRを高める方法はありますか?

今回ご紹介したフォーム離脱率の改善施策は、離脱原因を修正するピンポイント施策でした。
CVRとフォーム離脱率が密接した関係にあることはお伝えした通りですが、これらの他に、WebサイトのCVRを高める方法は数多く存在します。


具体的には、広告やSEOでのターゲティングを再確認する集客の見直しや、CTAの設置数を増やすなどのUX改善が代表的な方法です。
より詳しくCVRの改善方法を知りたいという方には、CVR改善について取り上げたコラムがございます。そちらをぜひご参照ください。